カサシマ工務舎の家づくり

地産地消

カサシマ工務舎の家は、北海道産の木を使っています
カラマツ
カラマツ
Larix kaempferi
東北・関東・中部地方の亜高山から高山帯に多く見られる落葉針葉樹。 北海道には薪炭利用を目的に、明治30年代から大規模な植林が行われた。 繊維が螺旋状に育つので、建造後のねじれ・割れを招くため、かつては建材には向かないとされてきたが、 乾燥技術の進化によって、適材として見直されている。
柱や梁に使用
エゾマツ
エゾマツ
Picea jezoensis
日本では北海道内にのみ分布し(道南をのぞく)「北海道の木」に指定されている。 強度があり、加工性に優れ、かんな仕上げも良好。 カサシマ工務舎では建具(ドア・仕切り・格子戸)の枠に使用。 時がたつと、枠の部分だけ赤みを帯びてくる。
建具の枠に使用
トドマツ
トドマツ
Abies sachalinensis
日本では北海道のみに分布、道内のほぼ全域で見られる針葉樹。 樹形や新緑が美しいため、庭木としても使われる樹種。 カラマツに比べて成長が遅く、軟らかいため、 カサシマ工務舎では柱・梁ではなく、建具用として採用している。
建具に使用

カサシマ工務舎の家づくり

Concept

製材 - Lumbering

炭鉱を
守るための木が、
北海道の家を
守る木となった。

十勝産カラマツで建てる
家づくりへの挑戦

カサシマ工務舎の建材は、十勝産のカラマツを使用しています。 かつて、北海道には炭鉱のトンネルの崩れを防ぐための部材用として、 成長が早く強度のあるカラマツが長野県から大量に植林されました。 しかし、エネルギー転換と共に需要がなくなり、樹齢が経った木であっても行き場を失っているのが現状です。

幕別町から、
強く高品質の無垢材を

北海道で育った優れた樹木を、家づくりに活かしたい。 カサシマ工務舎は十勝・幕別町の瀬上製材所とタッグを組み、 カラマツを積極的に取り入れています。 カラマツは、建材として使用するのに難点を抱えています。 それが、木の内部に含まれる多量の水分。 特に、北海道では冬に暖房を使うため、 木が建造後に乾くことによってねじれ・割れを引き起こす原因となってきました。

「その木は家には向かない」
独自の乾燥技術で打ち破る

建材として向かないとされてきた北海道産のカラマツを変えたのが、 乾燥技術の劇的な進化。建造前に、約3週間という時間をかけ芯から水分を抜くことで、 カラマツは家づくりに適した木へと変貌を遂げたのです。

カサシマ工務舎では、強さと粘りを兼ね備えた含水率13%の「ドリームラーチ」を採用。 大工と製材所が、共に時間をかけて練りあげてきた細やかなこだわりが 〝木と構造が見える家づくり〟に活きています。

手仕事 - Craftmanship

“建ちのよさ”を決めるのは、人の目と手。

カサシマ工務舎の自社工場「カサシマ工房」
現在、建築メーカーの多くがコンピューターによって 建材の墨付け(採寸)・切り込み(カット)を行う「プレカット」という手法を採用しています。 自動制御のプレカットは間違いがなく、効率的な手法であることは確かですが、 すべての家づくりに適しているわけではありません。

「美しい真壁をつくる」。
その一心

木は一本いっぽんに癖があり、まっすぐに見える建材もわずかに湾曲しているもの。 ごくわずかなレベルの曲がりでも、出来上がった際には歪みとなって現れます。 特に、カサシマ工務舎の特徴でもある「真壁」の家づくりでは、 構造を室内に露出させるためミスは許されません。
天井は梁あらわし、壁は柱を見せる真壁工法

木との対峙が、
永くつづく家への答え

コンピューターにお任せするのではなく、人の目で徹底的に見定める。 これがカサシマ工務舎の家づくり。木がもつわずかな曲がりを活かし、 その反り具合に合わせて注意深く柱の配置面を決定します。

〝建ちのよい家〟をつくるのは、人の目と手。 柱・梁・床・天井に至るまで、すべてのパーツを熟練の職人が見定め、切り込みます。 真壁の家では数ミリのズレが命取り。 1棟の家は、3週間の時間をかけて丁寧に墨付け・切り込みを行います。 あなたの家が温もりを感じられる、心地いい空間になるように。 自社工場、自社施工にこだわっています。

彩る - Colouring

無垢の木を自然素材で染める、
伝統×北国建築のリミックス。

ベンガラ
柿 渋
人に優しい塗料
カサシマ工務舎では、屋内の建具に人工塗料を用いていません。 人体に有害なホルムアルデヒドを含むものや、匂いの強いシンナー系の塗料ではなく、 ベンガラ・柿渋という日本古来の塗料を使って彩色を行っています。
ベンガラ
ベンガラは北陸地方の金沢や京都の伝統的な家屋に多く採用される顔料(酸化鉄)で、 古くは縄文土器にも使われてきた素材です。 深みのある黒色は、光によって色を変えるため、家屋に幽玄の味わいが加わります。
柿 渋
柿をベースに生まれる柿渋は、塗布後、皮膜によって硬くなり、防水・防虫・補強効果を持つのが特徴です。 柿渋のみで明るさを求めるのもよし、さらに、ベンガラを加えて幽玄味を高めるもよし。 あなたの好みに合わせて、塗料の濃度と色味を決定します。 伝統×北国建築のリミックスをお楽しみください。

寂しくない、家。

「気配がする」とは怖い言い方になりますが、職人さんの手仕事が活きた家は、 何年経っても語りかけてくるような温もりがあるから不思議です。 木を育てた人、製材した人、運ぶ、造る、建てる。カサシマ工務舎は、 関わる人の顔が見える家づくりを大切にします。

真壁工法に、あらわしの梁、大黒柱や太鼓梁。 構造を見せる家にこだわるのも、暮らす人に寂しさを感じて欲しくないから。 とても難しい仕事ですが、北海道の厳しい自然で育った木と手仕事が、 その家族にとって特別になることを、願って造ります。